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収録曲解説②【Your Voice(sings with 土岐麻子)】



QYPTHONEデビュー当時から仲良しだった土岐麻子嬢とコラボした2006年の楽曲。

子どもの頃に大好きだった「We Are The World」メイキングビデオを観て一番驚いたのは、まず最初に歌やコーラスを録音して、その後にミュージシャンがバッキングを演奏していたことでした。
子どもごころに「えっ、順序が逆じゃん!?」と戸惑ったと同時に、レコーディングの最終段階で、冒頭イントロにシンセが「キラキラ…→ドーン!」と入った時の鮮烈さもいまだに憶えています。

音楽家になってからはその制作順序も普通の手段のひとつになりましたが、この「Your Voice」では、その手法を積極的に使ってみようと制作に臨みました。

もちろん僕の頭の中の完成イメージは出来ているのですが、土岐ちゃんに歌ってもらう際のヘッドアレンジは、ピアノとシンセベースと薄っぺらいリズムだけで、当時の土岐ちゃんのマネージャーさんに「えっと…こういうアレンジの曲なのですか…?」と真顔で訊かれ、焦って説明した憶えがあります。

すべての音楽家がそうだと思いますが、僕も曲を作るときには「10年経っても古いと思われない、みずみずしいままの楽曲」を目指しています。
7年の時を経た昨年になって、この曲がアニメ「きんいろモザイク」のエンディングテーマとしてカヴァーされると聞いた時に、曲がりなりにもなんとか風化を乗り越えることができたのかなと、ひとり溜飲をさげました。

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