Column

Sound of Music


僕は映画やミュージカルのサウンドトラックが大好きで、サントラの仕事依頼が来るとそりゃもう大喜びする訳です。そんな僕が「サウンドトラックのベストを挙げろ」と言われたら迷わずこの「Sound of Music」と即答します。
もちろんストーリーも大変良いのですが、この映画の主役は主演のJulie Andrewsでも子供たちでもアルプスの山々の景色でもなく、何と言っても音楽。僕はオペラやミュージカルそのものも大好きなのですが、やはり元がミュージカルの名作なだけに「映像を肴に音楽を聴く」という味わい。
これまた凄いのが、この一本の映画から何曲も世界のスタンダード曲が生まれている点。一本の映画から1曲スタンダード曲が生まれたら大成功のはずなのに、この映画からは何曲も生まれてしまっているから「Sound of Musicのテーマ」と言われても、どの曲を指しているのか分からないほど。こんなこと「カルメン」以来じゃないかな。
もちろん佳き映画黄金時代に制作されたというタイミングもあるとは思いますが、そんなタイミングの良さも名作の条件。「現在のロックの原型はすべてビートルズに行き着く」という人がいますが、現在の映画/ミュージカル音楽の原型はすべてSound of Musicに行き着くと思ってます。Rodgers & Hammersteinコンビが最後に残した大傑作スコアですね。
数年前からこのスコアを血眼になって探しているのですが、なかなか手に入れられないんですよね。スコアがあればいつでもどこでもあの素晴らしい音楽世界にどっぷり浸れるのになあ。
ちなみにオーストリア人の友達は「この映画のせいでオーストリア人が田舎者だと世界中に思われてしまった」と怒ってました。あはは。

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