Column

【先を読まない力】

子どもの頃は、大人は知識が豊富で、思慮深く行動するものだと思っていました。
でも、いざ自分が大人になってみると、思慮深さなんてものは大して身についていないことに愕然とする日々。
割とへなちょこな大人になったものだ、と自分でもつくづく感心しています。
また、大人になって初めて、子どもの持つ「何も考えずに突進していく」感覚が大切だと分かりました。


子どもと大人の最大の違いは、「先を読む力」の差だと思っています。

子どもはとにかく先を読まない。
こういう事をすると次に何があるか?を予測しない。
というか、予測できるだけの経験も無いですよね。
だから怖いもの知らず。
傍から見ている大人の方がハラハラドキドキしてしまいます。

大人になると、まあ日常生活でおよそ起こりそうなことは一通り経験しています。
だから、
「ああ、こういう事をするとこういう風になるな」
「あの人にこういう事を言うと、こういう雰囲気になるな」
などが経験から予測がつくようになります。
そこから逆算して行動するようになる。
逆算した結果、行動を慎む場合も出てくる。
いわゆる「空気を読む」というやつですね。

「先を読む力」=「空気を読む力」にもつながっている。
ということは、大人になると「空気を読む力」もつくということ。


   ここでふと感じることが。


大人になると、むしろ「先を読まない」ことが出来なくなっているのでは?

 大人 =先を読む力がある。
 子ども=先を読まない力がある。

と考えると、子どもから大人になったからと言って一概に進歩しているとは言えないのでは?
と感じたのです。



大人は、先を読むクセがついた分、ドキドキする力を失っているように思えます。
すべての日常生活がルーティン化して無難にこなせる代わりに、そこに新鮮さを感じることができなくなっている。
大人にこそ、「先を読まない力」というのが必要なのではないか、と。

もちろん、先を読「ま」ない、ということは、子どもと同じで傍から見ると危なっかしくて仕方ない。
でも、先を読「め」ない子どもと違って、本当に危険な時は察知できる経験を大人は持ち合わせている。
あえて「先を読まないで行動する」場面を増やして、人生に新鮮さとドキドキ感を持ち込めれば、単なるルーティンの人生から解放され、日常の景色さえ違って見えるのです。


僕が実際に心がけていることは、
 ・初めて遭遇する物事には「先を読む力」
 ・すでに経験した物事には「先を読まない力」
と、場面に応じて逆ベクトルの力を充てる、ということです。

経験したことには積極的に新しいことを取り入れ、
初体験のことには今までの経験をフルに活かす。

これを実践すると、普段の生活にドキドキして、初めての物事には堂々としていられる、という非常に都合の良い精神状態が得られるのでオススメです。


8件のコメント