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収録曲解説③【Countdown to the End of Time】



この楽曲を収録した2010年のアルバム『Rock’n’Roll Circus』は、初めて僕がゲストをまったく招聘せずに作った作品で、自分自身の思い入れも相当に強いものがあります。

ファッションブランド『5351 POUR LES HOMMES』チーフデザイナー岡本剛二氏・アートクリエイターのアラキツヨシ氏・僕の3人で「完全にメディアミックスしたコラボをしてみよう」と意気投合して制作したこのアルバムは、従来とまったく異なる方法で制作しました。

いわゆる「1曲単位でのラフスケッチ」をまったく作らずに、思いついた楽想のかけらをとにかく片っ端から録音して、それらをアドリブ的に組み合わせて1コーラス分のシーケンスを作成。この段階まで作って初めてメロディを乗せる、という手法を採りました。

化学反応やセレンディピティを求めたこの制作方法は、自分が思いもよらない音楽に仕上がって本当に刺激的でした。
この方法によって、まるでアルバム全体が1曲であるかのような、不思議な統一感のある作品を生み出すことができました。スタジオ代が半端なかったですが…汗。

アルバム1曲目を飾ったこの楽曲も、最終着地地点がどこになるか分からないまま、とにかくBPMとキーだけを決めて7管編成のホーンフレーズを録音してしまい、レコーディング後に大きくカット&エディットを施しています。
なので、最終的なフレーズはレコーディング時に演奏したものから大きく変化しました。

副田整歩さんのサックスソロには”SupaTrigga”というプラグインをかけて再編集し、強烈な効果を生み出しています。
曲の完成後、副田くんに「せっかく吹いていただいたソロ、こんなにしちゃいました…」と恐る恐る白状すると「めちゃくちゃカッコイイ!」と喜んでもらえたので、ホッと胸をなで下ろしたものでした。

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