Column

インターナショナル

何を隠そう僕は「国粋」と言っても良いほどの愛国主義者なのですが、単に「日本が好き」という意味ではなくて「自国に誇りを持つことそのもの」が好きなのです。なので、他の国の人がその人自身の国を溺愛していたとしても、むしろそれだけでその人を信用してしまうのですね。みんながそれぞれ自分の故郷に誇りを持っていた方がキモチイイし。身近なものを愛するココロが好きなんです。
QYPTHONE結成時に「このバンドでの海外/日本国内の活動を50:50にする」という目標を決めたことがあったのですが、実際に海外のライブやリリースを続ければ続けるほど「自分たちは日本発の音楽をやっている」という強烈な自負心が必要だと痛感するんです。もう妄想に近いくらい思いこんだりしてね。そうすることでやっと外国人たちは「オ〜!アナタタチハニッポンノオンガクネ」と認知してくれるんですよね。
Hip Hop、R&B、Jazz、Brasil・・・ジャンルは何でも良いけれど、単に本物ソックリな音楽ってだけでは、日本国内だけならば「それこそがインターナショナル!」みたいな錯覚におちいるけれど、日本以外の人々にとってはただの亜流のニセモノ音楽なんですよね。だって本物がその国にあったりするんだもの。そりゃ本物聴くさ。
まったくオリジナルである必要は無いし、個性だけが音楽の本質とも思いません。むしろどこか聴いたような懐かしい感覚も音楽には大切だし。ただ、日本に住んでいて、日本で生活している中でしか持てない感覚、好み、実生活のニオイ。そんな身近な感覚を大事にして音楽を作ること。僕はそんな小さなことをすごく大事にしたいんだなあ。
一番身近なものを大切にすることが実はインターナショナルかも、なんて思いながら、これから年越しそば食べます。以上、朝からそばを喰うための言い訳でした。皆さん、良いお年を〜!!!

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アウトラン


ゲームメーカーにも旬というか栄枯盛衰みたいなものがあって、今はやっぱりソニー時代だったりする訳ですね。その前の大きな時代を築いた任天堂は今や独自のキャラクター路線を歩んでたり、マイクロソフトがソニーに立ち向かったりしてますね。たぶんMSが負けるけど。
僕が小学生/中学生だった頃は「ゲーセンではセガ、家庭用では任天堂」っていうのが常識でした。セガはポリゴン格闘ゲームの「バーチャファイター」を作ったかと思えば「プリクラ」を流行らせたりして、それはそれは物凄い勢いだったんです。
そのセガの勢いのキッカケが、デカイ筐体をそのまま操作系に使った「体感ゲーム」シリーズ。そのまんまレーシングバイクの格好をした「ハングオン」から始まって、スペースハリアー、エンデューロレーサー、アフターバーナーなどなど、「いくらかかってんの?」と訊きたくなるようなバブリーなゲームを次々と発表してたんですね。画面も当時珍しい3Dだったりして、もう画面見るだけで「オォ〜!」なんて、ハナ垂らしながらバカガキ丸出しで興奮してたんです。
その中でも僕が完全にハマっちゃったのが自動車ゲームの「アウトラン」。リゾートコースをオープンカーで彼女乗せて走るだけの、今考えるとごくフツーのドライブゲームなんですが、これが当時のバカガキには何だかミョーにオシャレに見えてね。ゲーセンにいるってだけでオシャレなはずがないのに、すっかりオシャレさん気分でゲームしていた恥ずかしい過去を思い出します。そんなにシャレたいならゲームせずに服でも買えよ、ってくらいハマりました。
曲も何だかオシャレでね。ゲームの前にカーステ画面で曲を選べたりして。今聴くと単なるフュージョン系のゲーム音楽なんですが、家帰ってリコーダーで耳コピしたりしてました。ただのゲームオタクのガキですね。全然オシャレじゃねー。


ゲームオーバー時に流れるバラードは今聴いても最高。今度カバーしようかな。

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デッサン

僕が描く絵のヘタさ加減はそんじょそこらの凡人とは訳が違います。まさに天才的なヘタさ。パースという概念にとぼしいらしく常に2Dの「ちびまる子ちゃん」状態。僕としては超立体的に書いているつもりでも、いざ描き上がると地中海の洞窟の壁画みたいになっているという事実は、すでに世界七不思議のひとつとして世界中に紹介されています。
就職活動でナムコを受ける時に企画書審査というのがありまして、一次審査でゲームアイデアを企画書に書いて、審査に通ると二次審査ではその企画書を実際にプレゼンする、という試験でした。自分の持っているだけの最高のデッサン力とサクラクーピーペンシルを駆使して、自分的にはまるでCGのような企画書を描き上げました。で、それをまずはQYPTHONEのメンバーに見てもらってね。QYPTHONEは他の2人とも絵に一家言持っていて、ボーカルの泉ちゃんに至っては某有名美大の油絵科だったりするんですね。で、何と2人とも大絶賛するんですよ!お〜、やっぱり僕には画才が!喜び勇んで理由を聞くと、「奥に行くにつれて広がるパースなんて描こうと思っても描けない。芸術的だ!」「これをワザと描けるなんてスゴい!」・・・あのーすいません、自分としては正確な遠近法なんですけど。。。今年のクリスマスプレゼントでサンタさんは僕に「デッサン力」をくれないかなあ。

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Laughin’ リリースイベントレポ(後編)

11月18日金曜日19:30、LA FABRIQUE集合。
ダイニングバーだった会場を撤去し、舞台と控え室の設営、ライブとショーの音出し・リハーサルを2時間以内に行わなければなりません。
機材の組み立て、配線、モニターの音チェックと、想像以上にやることは多く、スタッフは一秒たりとも手を休めずに作業に専念。
設営に関してはおまかせモードだったタケシも、スタッフの慌ただしい様子を見て手伝う気になったのか、自らオルガンの横にブロックを2段ほど運んでいます。
「何これ?」と尋ねると、どうやらライブ中に気が向いたら登るための台とのこと。
「何それ?」この忙しいのに!と言うのも時間がもったいないほどてんてこまいしていたのですが、後でこのブロックは大活躍するのです。

無事に準備を終え、22:00、開場と同時に続々なだれ込む観衆。
あっという間にスシ詰め状態となり、業務連絡も取れない状況になってしまいました。しかしむしろこれだけたくさんのお客さんに来てもらえてスタッフも満面の笑顔です。
とはいえ秒刻みの怒濤のタイムテーブルが既にスタートしています。緩んだ顔をもう一度引き締めなくては。

GROOVY SAUCEレジデントDJによる攻めのプレイが、会場のボルテージをみるみる上げていく。
そしてすかさずDJタケシにバトンタッチ。それまでガッツンガッツン4つ打ちで鼓舞してきた会場をサイケでグラムなムードにガラリと変え、SHIMAのmini showが始まりました!
とってもカワイイモデルさん達が次々壇上へ上がるなりバッサバッサと髪を切られ、キュートでちょっとエッチなディーバへアレンジされていきます。
カットを終えた彼女達がエロティックにDJタケシに絡むものだから、彼の鼻の下は伸びっぱなし。
次ライブなんだから、その顔はまずいなあ。誰かアイロンでもあてといてくれ!

SHIMAのmini showですっかりヒートアップした会場。突如としてどこからか流れる「The Theme of “JOY”」!それに合わせてエレキベースの竹下さんがワイルドにビートを刻み始めると、オーディエンスが歓声を高めながら踊り出す。
庵原さんのフルートとタケシのピアノが激しくユニゾンし、会場のグルーヴと演奏のグルーヴが次第に一体化してくる!
そう、皆が待っていた本日のメインイベント、中塚武スペシャルライブのスタートです!
「Melody Fair」で岡田響子さん、「Lift Me Up to the Sky」ではdNessaファミリーが壇上に上がり、音のダイナミズムを増していく演出で、ライブ序盤から既に観客の体温もフロアの気温もヒートアップ!
そのアツさのせいか「Lift Me Up to the Sky」のセカンドコーラスに差し掛かったところで突然Macがフリーズし、肝心のオケがストップしてしまった!
しかし鉄壁のミュージシャン達は全く動じることなく堂々とオケ無しで完奏。観客の中にはオケがストップしたことなど全然気づかない人もいたみたいです。
マックの復旧を待つため、おしゃべり男・タケシの独壇場、長〜いMC。「あなたは志村けんではない」という注意を全く守らず、『8時だヨ!全員集合』における志村級のカリスマ性を発揮して会場のボルテージをあげると、次の曲「Hooray, La La」のサビでは会場全体がビートに合わせ、両手を挙げて左右に振ってくれている。
う〜ん、『全員集合』に比肩するこの一体感。ライブはこうでなくては!
そのビートのままdNessaファミリーによるスロウなアカペラが始まると、観客は「これ何の曲?」ととまどっている様子。
だんだんスピードを上げてリズムがスタートすると、おお、これは何と「Magic Colors」!
まさかこの曲をライブでやるとは。客もビックリ、スタッフもビックリ。タケシしてやったり。
凄まじい勢いでアッパーに転じた観客を、さらに煽動するようにタケシはオルガン横のブロックに登ってアピールしまくり。自ら運んだブロックが大活躍ではないか!
「Stay」のラストのキメが終われば、会場中がまさに興奮のるつぼ!

メンバー同士握手を交わして成功を讃え合いながら、スーパーDJ・田中知之さんをステージに招き入れる。
タケシとはかねてより親交の深い音楽仲間。
ガリガリ君ダイエット男と包容力満点の田中さんが抱き合うという、次世代のシーンを担う音楽革命児2名が同じ壇上に立った歴史的瞬間です!
グイグイと惹きつけるパワフルなプレイがスタートし、観客も呼応して踊り狂う。
強烈なカットインと見事なフェーダーワークでフロアの興奮を巧みに操る田中さん。さすが!
爆裂ライブに続き、圧巻のDJプレイで会場を沸騰させてくれました。

DJを終え別会場へ向かう田中さんを送り出し、再び中塚武のDJ。全くこの二人は忙しいったらありゃしません。
タケシはSHIMA mini showと曲調をガラリと変え、脳しんとうを起こさせる凄まじいハウス目白押しで、三たびフロアを沸点に導く。常識外れの三度炊きで観客は男も女もツヤツヤの食べ頃に!
そしてこれでもかとGROOVY SAUCEチームによる四度炊き!
猛烈に濃い〜い内容のこの夜のイベント、一年分踊ったんじゃないか?と思われるくらい、観客のパワーもものすごいです!みんなありがとう!

ライブ中に思わぬハプニングがあったりしましたが、こういう想定外の事態も生イベントの楽しみの一つ。
最後にDJブースに立ったタケシは「こんなに素晴らしい仲間と一緒にイベントが出来て、僕は幸せ者です」と一言。
いやいや、タケシ君。こんな場面に立ち会えた我々スタッフこそ幸せ者ですよ。

こんな楽しくアツイ夜は、是非何度も味わいたいものだ。というわけで早速2006年1月20日を皮切りに、LA FABRIQUEにて新生・GROOVY SAUCEを開催していきますよ!ご期待下さい!!


鉄壁の布陣とともにリハーサル中。左は庵原さん。


タケシとdNessaファミリー、岡田響子さん。


いきなり超満員です!


エロカワイイSHIMAのmini showのモデルさん達。左手前にDJタケシ(柱の影になってますがもちろん鼻の下延長中!)


始まりました中塚武のアドリブ長ゼリフ。


MCが終わらないのでメンバー苦笑中。タケシの奥のベースの竹下さんも呆れています。

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20Q


僕はまったくもって買い物上手だと思っているにもかかわらず、各方面から「オマエは買い物がヘタだ」と指摘されて非常に憤慨しています。プンプン。
僕が買い物上手だということは、これまで買ったものを少し挙げただけでも分かるってもんです。猫の言葉が分かるという「ミャウリンガル」、音と光を記憶するゲーム「サイモン」、ipodに着せるロボット型カバー「I Guy」、その他もろもろ。ドラえもんの「さすと雨の降る傘」くらい役に立つものばかりだなあ。
そんな買い物上手の僕が最近買った便利グッズは、なんと人の考えたことが分かるという「20Q」という人工知能グッズ。Amazonで朝方にこれを見た瞬間、僕の「買い物アンテナ」がピピピと、まるで鬼太郎の髪の毛のように逆立ったので(寝起きだったせいもあるのですが)1click購入でお買い上げ。
数日後に商品が家に届くとすぐに試してみることに。「何でも良いのでひとつ物事を思い浮かべて20Qからの質問に20問答えると、思い浮かべたことをズバリ答える」なんて書いてあるので、ようし、と僕が思い浮かべたのは「レコード」。本当に分かるのかよ?なんて半信半疑で20問答えると、
「アナタガ オモイウカベタノハ ”レコード” デスネ!」
お〜っ!バッチリ当てられちゃいました。
こりゃすごい。早速自慢しなくては!と考えるところがのび太そっくりなのですが、すぐに家族に自慢することに。「考えたことを当てて進ぜよう」と両親にやってみたら何度やっても当たらず、何だか微妙な空気になってしまいました。友達数人にもやってみせたのですが、今のところ正答率0%。さすが便利グッズ。ちょっと恥をかきたい時なんかにはすごく便利です。


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Laughin’ リリースイベントレポ(前編)

小学校時代、番長の身でありながらリコーダーでゲーム音楽を吹きながら下校していた「笛吹き番長」が、とうとう独自のアルバムリリースイベントを立ち上げるまでに到りました。
「あのナカちゃんが…」「あのタケが…」と旧来の友人達からも昔のあだ名で数々の驚きの声や応援のメールをいただくほどイベントへの期待感も盛り上がる一方、イベント準備はたいへんなのです。
そのナカちゃん、今回はDJだけでなくライブも行い、しかも10人編成のバンドリーダーを務めるのでなおのことたいへん。

11/12山口、11/13名古屋のイベントでのDJを終え、その足でそのまま休む間もなく11/14、スタジオでのライブリハーサル。
サックス&フルートの庵原良司さん、JOY以前からご一緒させて頂いているベースの竹下欣伸さん、フィーチャリングヴォーカルの岡田響子さん、ヴォーカル&コーラスのdNessaファミリー、、、もはや伝説となった10/1の渋谷JZ Bratでの中塚武ソロ初ライブでも観客の度肝を抜いた鉄壁の布陣。これだけ個性的なミュージシャンが集まると、我らが笛吹き番長でないと統率するのはたいへんなのです。(ちなみにタケシの担当楽器は笛じゃなくてオルガンです)
竹下さんとタケシが一緒になるとバカ話がなかなか終わらないし、岡田さんはスタジオまでの道を間違えて緊急連絡が来るし、庵原さんはマスク着用で風邪をおしての参加にもかかわらず、度々マスクをはずしてdNessaファミリーの尻を見ながら「黒人の尻はさすがですよね」とか余計なことを言うといった具合に、皆さん個性を出しまくり。

しかしさすが一流ミュージシャン達、ひとたび音がスタートすれば素晴らしい演奏を展開します。
Laughin’の曲をライブ用の音にするためタケシも的確な指示を出し、その場のスタッフ全員が「これはすごいライブになる!」という確信を得てリハーサルは終了。
「いやあ〜、素晴らしい!僕のやることは何も無い!」
いやいや、タケシ君。オルガン、ピアノの演奏はもちろん、オケトラック準備、ライブ中の指示出しにコーラスなど、アンタがいちばんやることありますよ!
例えばMC。
彼のMCは基本的には安心なのですが、彼が率いるバンドQYPTHONEの初期のライブで「こんばんは、志村けんです」とMCを始め、客席をドン引きにおとしいれた経験があるので油断は出来ません。
あと、放送禁止用語を連発する可能性もあるので、MC時の注意事項を彼に伝えておきました。
・放送禁止用語は使わない
・あなたは志村けんではない

翌11/15、スタジオリハーサルでライブの最終チェック。
昨日のリハで掴んだヒントや、オケの尺が足りないところなどを盛り込んで、更に凄味を増す。
「当日もよろしく!」と笑顔の竹下さんらミュージシャン達を送り出し、タケシはそのまま当日の会場セッティングやタイムテーブル等のミーティング。
DJ、ライブ出演者としてだけではなく、当日のイベント統率者としてイベント全体の細部に渡り目配せを怠らない。
細かい配慮が出来ないと番長は務まらないのです。
「ケーブルの本数は、任せるわ!」「スタッフパスね、任せた!」
番長たる者、あまり細かいことにこだわり過ぎてもいけません。
ライブからDJへの転換の方法、SHIMAのヘアショーの時間や音のタイミングなど、綿密に打合せ、当日まで分からない不確定要素もたくさんあることを再認識。

人生最大に多忙な3日間になることに気が遠くなりながら、次号「後編」へ!


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Raul Midon / State Of Mind


John Legendとともに間違いなく今年一番聴いたアルバム。全曲最高。もう何度聴いたことか。。。
歌とギターの超絶技巧っぷりも確かに凄いけれど、それだけでは単なるサーカス芸なのでそこに僕はあまり興味が無い。技術大国ニッポンでは、人を感心させたいのか感動させたいのかよく分からない技巧派ミュージシャンをよく見かけるからね。
でも彼は違う。まず作品としての曲が素晴らしい。メロディもコードの紡ぎ方も丁寧で誠実。そして何より歌が良い。上手いとかそういう問題ではなくて、自分の歌でしか表現できない事を伝えようとしている。それが曲からひしひしと伝わってくる。ジャンルにも流行にも話題にも頼る必要がない、唯一自分の音楽だけを信用している、っていう思いが刺さってくる。ものすごく共感します。歌詞はYAZAWAみたいだけどね(笑)。
僕が思うに、彼の卓越した技術は、単に彼自身が自分の作った音楽を伝えたかったから身につけたんだと思う。「練習のための練習」「上手くなるためだけの練習」に終始している多くの人にはぜひ見習って欲しい姿勢だよなあ。
レコーディングが詰まっていて秋のライブには行けなかったけれど、ライブを観た人から多く聞いたのが「人間業とは思えないくらい上手い」みたいな感想ばかりだったのが残念。そんなものが観たいならボリショイサーカスにでも行けば良いのに。1月の再来日はぜひこの目この耳で観ようっと。

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年末

両親が商店街のアーケードで総菜店を営んでいたこともあって、どうやら僕は幼いころから「商い人のお祭り感覚」のようなものを肌で感じる機会に恵まれていたようです。「音楽一家」とかだったらカッコイイもんなのですが、植田まさし4コママンガばりの「おっちょこちょい天ぷら屋一家」だったので、大人になってからも賑やか好きでオメデタイ性分は変わらないようです。たぶん血なんですね。まさに脳天気のサラブレッド、脳の晴れ男。作る曲もいまだに「少しは落ち着けよ」と言われるバカ騒ぎっぷりが薄まりません。単に脳の腫れた男だったりして。
で、大晦日とかになると親戚などの手も借りて、年越しそば用の天ぷらを「かき入れ時」とばかりに売るんですが、幼い僕も売り子として駆り出されるワケです。子供心にドキドキワクワクしたりしてね。もちろんほとんど何の役にも立たないんですが。アーケードもお客さんでごった返していて、店もお客もてんてこ舞いなんですよ。冬なのに汗だくだったり。そういう雰囲気が大好きでね。
で、大晦日までの3日間くらい家族総出で手伝って、大晦日の夜を迎えた時の充実感というか達成感というか、「みんなでやり遂げたね」みたいな空気に家族全員が包まれるんですよ。ちょうど文化祭の後のような雰囲気って感じで。まあ家族だから文化祭につきもののロマンスなどは残念ながら無いのですが。そんなこんなで、ガキのくせにクリスマスよりも大晦日の方が断然好きだったんですね。
今はもう両親とも総菜屋をやめて隠居暮らしをしてますが、僕はと言えば今もそのクセが抜けずに年末が近づくと訳もなくウキウキしたりしてます。意味もなく血が騒ぐんですね。サラブレッドだから。年末の僕が妙に上機嫌で時々「ヒヒーン」と叫んでいたらそのせいだと思って下さい。別に脳が腫れてる訳ではないです。

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